- 2006年07月20日
-
チッソ株式会社(社長:岡田俊一、本社:東京都千代田区)は、カゴ型シルセスキオキサンを含有する有機−無機ナノハイブリッド型のコーティング剤「サイラマックス」を8月1日より上市します。
「サイラマックス」は、ガラスや金属をはじめとする様々な基材に対してコーティング加工が可能であり、優れた非粘着特性や防汚性を発現する薄膜が得られます。この薄膜は、透明で、且つ膜厚が数百ナノメーターという特徴を有しているので、精密コーティング分野などへの応用が期待されます。
チッソは、ケイ素合成技術と高分子合成技術に加え、独自のナノ構造制御技術を駆使することで、カゴ型シルセスキオキサンを選択的に薄膜表面層へ集積させる方法を見出しました。この技術によって得られた薄膜は、図に示すような傾斜構造を有していると考えられています。表面から数十ナノメーターの領域には化学的に安定なカゴ型シルセスキオキサンを集積させ、表面特性に重要な役割を与えており、膜内部の有機ポリマー成分は、基材との密着性向上のみならず、表面層のカゴ型シルセスキオキサン成分を固定化する働きも有しています。その結果、「サイラマックス」は非粘着特性や防汚性付与材料として知られるフッ素化シリコーンでは達成出来ない、高性能を維持しつつ加工性・操作性・速乾性の向上を可能にしました。
チッソはLCDを中心とした電子情報材料分野に注力しており、特に異物や汚れを嫌う半導体、情報記録部材用品といった精密電子分野へ「サイラマックス」を本格的に投入してまいります。
「サイラマックス」は、2006年7月25日(火)~27日(木)にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「オルガテクノ2006」(有機テクノロジー実行委員会主催)に出展します。