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ケイ素系機能性材料のサンプルワークを開始
−高純度、ナノサイズのダブルデッカー型構造シロキサン−

2006年04月27日
チッソ株式会社 本社:東京都中央区、社長:岡田俊一(おかだ しゅんいち)は、既存ポリマーの新たな機能向上に寄与する可能性を広げる新規ポリシルセスキオキサン(PSQ)のサンプルワークを開始しました。

PSQは、各種有機ポリマーに透明性保持、耐熱性・電気特性向上など無機材料の特性を付与することが可能な、機能向上材として用いられるケイ素系機能性材料です。PSQで改質されたポリマーは、例えば、電子情報材料や、太陽電池に使用するベースフィルム、ガラス代替の高透明高強度ポリマーへの用途展開に可能性が広がります。

チッソは世界で初めて、二つの環状シロキサンを上下で重ねて結合したPSQを選択的に合成することに成功しており、得られたPSQは純度が高く、その特異的な立体構造(ダブルデッカー型:別紙図参照)を厳密に制御することができます。また、従来のPSQは一官能型ないし多官能型であるため、既存ポリマーの側鎖か末端に組み込む手法が一般的でしたが、チッソのPSQは「二官能型」および「四官能型」であり、二官能型は主鎖に組み込んで、また四官能型は架橋剤として新たなポリマーを形成できるほか、デンドリマー(樹状高分子)の中心分子に採用することも可能です。さらに、分子内に〇・五ナノメートルほどの空間を有している約一・五ナノメートルサイズのPSQをポリマー中に自由に配合できるところから、新たな機能を発現する有機と無機のハイブリッド材料として注目を集めています。

当社では、ダブルデッカー型PSQを主鎖に含む、ポリイミドとの有機無機ハイブリッドポリマーの評価を行った結果、得られたポリイミドフィルムは耐熱性、高透過率、高誘電率、耐アルカリ性に優れているなど、少なくとも従来のポリイミド以上の特性を示すことを確認しています。また、アクリル、ポリエステルやエポキシなどポリイミド以外のポリマーのハイブリッド化も可能ですので、新たな材料の創製が期待できます。

チッソはダブルデッカー型PSQの工業的製法を確立して量産化の検討も進めており、外部との連携を視野に入れたサンプルワーク体制を整えました。今後は、ハイブリッドポリマーに限らず、無機材料などでもPSQの特徴を生かした新しい材料開発を進めてまいります。

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