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産学共同研究の成果を事業化
検査薬、診断薬材料の新会社を設立

2005年07月25日
チッソ株式会社 本社:東京都中央区、社長:岡田俊一(おかだ しゅんいち)は、神戸大学との共同研究の成果である熱応答性磁性ナノ粒子に関し、同大学工学部教授近藤昭彦(こんどう あきひこ)氏と共同で事業会社「マグナビート株式会社(英名:Magnabeat Inc.)」を設立いたします。

マグナビート株式会社は、熱応答性磁性ナノ粒子(商品名:Therma-Max®)の販売を行うとともに、神戸大学、チッソ株式会社その子会社であるチッソ石油化学株式会社の協力のもと、市場開発、用途開発、技術面におけるユーザーサポート及び検査診断システムや診断薬材料の開発を実施いたします。

チッソは、1996年よりNEDOの独創的高機能材料創成技術プロジェクトに参加し、高度刺激応答材料の開発に着手、2000年には神戸大学近藤教授との研究開発をスタートさせ、「Therma-Max®」を開発しました。

これまで診断薬等に用いられている粒径数ミクロンの磁気ビーズでは、粒径を小さくすれば分子認識性は向上するものの、数百ナノメートル以下になるとその磁性が弱まり、磁石による分離が極めて困難になるジレンマがありました。チッソと近藤教授が開発した熱応答性磁性ナノ粒子は、従来の磁気ビーズの約30分の1以下の粒径百ナノメートル程度で、水溶液中に沈降することなく完全に分散し、また水溶液の温度を変化させることにより磁性ナノ微粒子を急速に凝集させ、高い分子認識性を維持したまま磁石による分離を可能としました。遺伝子、蛋白質の分析・解析に、また抗原抗体診断や環境ホルモン検査を高感度かつ短時間で可能とする分離機能材料として幅広い応用が期待されます。

熱応答性磁性ナノ粒子「Therma-Max®」の特徴が評価され、2004年には「バイオビジネスコンペJAPAN最優秀賞」を受賞、さらに本年7月に開催された「オルガテクノ2005」では「オルガテクノ大賞材料・素材部門賞」を受賞しております。また今回の新会社設立の過程では、弁理士・弁護士・会計士からなる「関西バイオビジネス研究会」からも、ユニークな本技術の事業化に関しビジネスプランの提案を頂くなど社外からも評価されております。

チッソは、ナノテクノロジーとバイオテクノロジーの融合領域であるナノバイオテクノロジーの分野においてさらに研究開発を推進し、「Therma-Max®」のマグナビート株式会社を通じた販売を始めとして、幅広く各種診断、医療分野での事業化を目指してまいります。

【新会社の概要】

会社名  : マグナビート株式会社
       英名:Magnabeat Incorporated
本店   : 兵庫県神戸市灘区(神戸大学内)
事業所  : 千葉県市原市(チッソ石油化学株式会社五井研究所内)
代表者  : 代表取締役 大西 徳幸(おおにし のりゆき)
      (現チッソ石油化学株式会社五井研究所主任研究員、本年7月29日就任予定)
役員   : 取締役 近藤 昭彦(こんどう あきひこ)  他2名
資本金  : 30百万円
株主   : チッソ株式会社 95%、 近藤 昭彦(こんどう あきひこ) 5%
設立   : 2005年7月
従業員数 : 当初5名程度
熱応答性磁性ナノ粒子の販売、市場開発、用途開発、技術サポート及び検査診断システムや診断薬材料の開発・研究


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