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熱安定性を持つ蛍光タンパク質の変換に成功
−医薬品開発用試薬の分野へ展開−

2005年03月22日
チッソ株式会社 本社:東京中央区、社長:岡田俊一(おかだ しゅんいち)横浜研究所(横浜市金沢区TEL045-786-5501)は、発光オワンクラゲに存在するカルシウム結合発光蛋白質「イクオリン」から「蛍光活性を持つ耐熱性ルシフェラーゼ」の変換に成功しました。「蛍光活性」と「発光活性」を同時にもち、且つ「熱に対して安定」である蛋白質の変換としては世界で最初の発見となります。

横浜研究所では、発光クラゲ、深海エビ、発光細菌及び米国産ホタルなどの発光生物由来蛋白質群の遺伝子単離、組換え蛋白の精製、およびその応用研究を進めております。その中で「イクオリン」は、微量(10-7M)のカルシウムイオンと反応して、青色に瞬間発光する発光蛋白質です。

今回の「蛍光活性を持つ耐熱性ルシフェラーゼ」は、波長350ナノメーターの光を照射することにより青色蛍光を発する蛍光蛋白質の性質を示します。(写真参照)他方、発光基質(ルシフェリン)を添加することにより、通常のルシフェリンールシフェラーゼ反応がおき、連続発光するルシフェラーゼの性質を示します。また、このルシフェラーゼを95度で3分熱処理した場合でも、蛍光活性およびルシフェラーゼ発光活性は、90%以上保持されます。

現在まで報告されているルシフェラーゼの中で、このような「蛍光活性」と「発光活性」を同時にもち、且つ熱に対し安定なルシフェラーゼは知られていません。また、このルシフェラーゼは、ある条件では瞬間発光するイクオリンへの変換も可能です。当研究所では、発光クラゲの発光器内でのイクオリンの発光ー再生機構の研究過程で今回の発見に至り、その結果をまとめモデルを提案し、FEBS Lett.(2004)577:105‐110に掲載されました。

「イクオリン」は、カルシウムイオンによる特異的な瞬間発光の原理を利用した細胞内生体機能の解析や、抗原抗体反応による環境汚染物質の検出などへの応用が期待されます。

チッソは、既に研究用試薬として細胞内のカルシウム測定用「イクオリン」の販売を行っており、新たな医薬品開発のためのハイスループット検出系へのイクオリン遺伝子および発光基質類の販売、更には抗原抗体反応用修飾イクオリンの販売も行っています。

今回の「蛍光活性を持つ耐熱性ルシフェラーゼ」も生化学分野の研究発展に寄与する材料として、同様に展開をしてまいります。

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