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深海発光エビ由来の新規ルシフェラーゼの単離に成功

2000年12月18日
チッソ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:後藤舜吉)は、駿河湾に棲息する深海発光エビであるヒオドシエビ(学名:Oplophorus gracilirostris)由来の発光酵素である分泌型ルシフェラーゼのクローニングに成功しました。エビは分類学上十脚類に属しますが、十脚類からのルシフェラーゼの遺伝子単離は世界初のことです。この発光反応はもっとも簡単な発光酵素系であり、発光細菌や発光蛋白などの発光系と異なり、他の必須な補欠分子等(金属イオンなどの補酵素類)を全く必要としないところにその特徴があります。また、ルシフェラーゼは至適温度が40度であることから、他の種の発光酵素に比べると熱に対する安定性が高いという特長を有します。
この発光エビの精製の結果、精製ルシフェラーゼは分子量約106,000で、分子量35,000と19,000の2種のサブユニッツから構成されていることが明らかになりました。触媒ユニットは19,000であり、現在までに報告されているなかでは最も小さく、一般的な酵素としても非常に小さなものです。そのため、遺伝子組み替えが容易であり、本ルシフェラーゼサブユニットは活用の可能性が高いという性質も併せ持っております。
現在までにクローニングされている分泌型ルシフェラーゼとしては、ウミホタル由来のものが報告されていますが、分子量が60,000と大きいこと、基質ウミホタルルシフェリンが入手困難などの問題があり実用には至っていません。
一方、ヒオドシエビルシフェリンは現在市販されているため、実用化への可能性が拡がりました。特にドラッグスクリーニングや環境ホルモンなどの検出等への展開が期待されるところです。
 本研究は、国立長寿研究センター、名古屋大学、米国ウッズホール海洋研究所の協力を得て行われ、現在文部省科学研究費特定研究「希少鍵物質の解明」(研究代表者:上村大輔 名古屋大学教授)の協力を得てさらに展開されています。また、この詳細については、本年12月16日開催の日本分子生物学会(神戸)で発表されました。



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